児童発達支援・放課後等デイサービスおよび保育所等訪問支援事業所等では、概ね1年に1回以上、自己評価と保護者評価を行い、その結果と改善内容を公表することが義務付けられています。
この記事では、児童発達支援・放課後等デイサービスの自己評価と保護者評価の目的と実施の流れを、具体的な事例を交えながら説明しています。
児童発達支援・放課後等デイにおける自己評価と保護者評価の目的
児童発達支援・放課後等デイサービスは、発達に課題のある子どもたちが安心して過ごせる場として、また、社会で生活するための力をつける場として重要な福祉サービスです。
そうした役割を持つ事業所として、さらなる子どもたちの成長とサービスの質向上を目的とし、自己評価と保護者評価を年に1年以上実施し、結果と改善内容を公表することが義務付けられています。
自己評価は、事業所の従業者が「事業者向け自己評価表」を活用して自事業所の活動や支援の質を振り返り、改善点を見つけ出すことを目的としています。同様に、保護者評価は「保護者向け評価表」を配布して調査を行い、事業所の活動やサービスについて第三者の目で評価を得るために実施します。
自己評価の目的
- 事業所が提供する支援内容や環境を見直し、より良い支援を提供できるよう改善する
- 保護者や地域社会に対して、事業所の取り組みを公正に評価することで信頼を得る
- スタッフが自己の業務やスキルを振り返り、専門性を向上させる
保護者評価の目的
- 保護者からのフィードバックを活用して、子どもたちにより適切な支援を提供する
- 保護者目線での子どもの成長や課題を確認し、支援内容に反映させる
- 保護者と事業所間のコミュニケーションを深める
児童発達支援・放課後等デイにおける自己評価と保護者評価の実施の流れ

では、自己評価と保護者評価はどのような流れで実施するのかを見ていきましょう。
保護者等による評価の実施・従業者による評価の実施
事業者から保護者等に対して、「保護者等向け評価表」を活用してアンケート調査を行う。回答は集計し、特記事項欄の記述を含めてとりまとめる。
また、「事業者向け自己評価表」を活用して従業者評価を行う。その際には、「はい」「いいえ」などに評価をチェックするだけでなく、各項目について、「課題は何か」「工夫している点は何か」等についても記入する。
事業所全体による自己評価(課題等の把握・分析含む)
保護者評価及び従業者評価の結果を踏まえて、事業所全体で各項目ごとに自己評価を実施する。実施の際には、管理者等一部の者で自己評価を行うのではなく、ミーティング等の機会を通じて、従業者同士で意見交換を行いながら自己評価を行うとともに、課題や改善が必要な事項の把握と共有(認識のすり合わせ)を行う等、全従業者による共通理解の下で取組を進めていくことが望ましい。
全ての項目について自己評価結果を行ったのち、その結果を踏まえ、自己評価総括表を活用し、事業所の「強み」と「弱み」について分析を行う。
改善・充実に向けた検討
事業所全体の自己評価や整理した事業所の強み・弱み等の分析の結果を踏まえて、改善・充実に向けた今後の具体的な見通しや改善・充実に向けた具体的取組を検討・整理する。
自己評価結果等の公表
インターネットその他の方法により都道府県へ届け出(公表)や保護者等にフィードバックを行う。
支援の改善に向けた取組等
改善・充実に向けて検討・整理した内容を踏まえて、日々の支援等への反映を行っていく。
参考:障害児通所支援事業所における事業所全体の自己評価の流れ(別添)
このように、評価を実施したのち、分析し、反映させていくという、PDCAを行うことにより、事業所のサービスの質の向上を図ることができるのです。
児童発達支援・放課後等デイにおける自己評価と保護者評価の具体例

ある放課後等デイサービスでは、保護者評価アンケートを実施した結果、「子どもの自己表現を促す活動が不足している」という意見が複数見られたことで、新たに自己表現をテーマとしたアート活動を取り入れることとなり、この活動により、子どもたちの自己肯定感が高まり、保護者からも高評価を得ることができたそうです。
また、ある事業所では自己評価を通じて「子どもたちの活動における自由度が不足している」との課題を認識しました。同時に、保護者評価から「子どもの意見をもっと取り入れてほしい」というフィードバックが得られたため、子どもたちが活動内容を選択できる「自由選択プログラム」を導入したという例もあります。
忙しいなか、どうしてもルーティン化してしまいがちな日々のプログラムや子供たちとの関わり合いの中で、新鮮な気付きを与えてくれ、事業所にとって大きなメリットとなりますよね。
児童発達支援・放課後等デイの自己評価・保護者評価はTSUNAGUアンケにおまかせ

自己評価・保護者評価は事業所にとってメリットが大きいとはいっても、実際に評価アンケートを実施し、集計まで行うというのは大変な事務仕事です。
そんな、集計や転記、記述式回答のまとめなど、時間のかかる作業はTSUNAGU(つなぐ)アンケにまるっとお任せしてみませんか?
TSUNAGUアンケは、児童発達支援・放課後等デイ・保育所等訪問支援事業所の評価アンケート代行サービスです。TSUNAGUアンケからお送りする配布用紙データをコピーして従業員様や保護者様に配るだけで、アンケートの集計結果を得ることができます。
集計に係る時間が不要となり、事務負担が大きく軽減されますよ。
定期的な評価の実施でより良い支援を目指そう
児童発達支援・放課後等デイサービスにおける自己評価・保護者評価は実施が義務付けられており、適切な実施や公表がされない場合、減算の対象となります。
そのため、実施はするけれども、分析やフィードバックまでしっかりと時間が取れていないという事業所も多いのが現状です。
一方で、こうした評価内容をしっかりと分析し、改善点を洗い出すことで、保護者や地域からの信頼、事業所のサービスの質向上に大きく役立ちます。
ぜひ、事業所の重要事項として前向きに取り組んでいただければと思います。
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