放課後等デイサービスにおいて、日々の活動プログラムを考えるのは大変です。令和6年度より、5領域に関連づけた療育支援が必須となり、さらに頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。
イレギュラーな対応も多い放課後等デイサービスで、子どもたちの成長をサポートする活動プログラムをどのように5領域と関連づけて考えていくのか、この記事では実際の事業所の例をご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
放課後等デイサービスの活動の流れ

まずは、基本的な放課後等デイサービスの1日の流れを見ておきましょう。
平日のスケジュール(例)
■送迎
~15時 到着・宿題など
~17時 おやつ・個人活動・団体活動
17時 終わりの会
■送迎
休日のスケジュール(例)
■送迎
〜12時 個別活動・集団活動
12時 昼食
〜15時 個別活動・集団活動
15時 おやつ
〜16時 個別活動・個人活動
■送迎
平日は学年によって送迎の時間が異なりますが、2~3時間程度、休日であれば4~5時間程度の活動の時間があります。
夏休みなどの長期休暇中は時間も長く、毎日出席する子どもも増えるため、活動プログラムにも工夫を凝らす必要がありますよね。
また、令和6年度より義務となった5領域を盛り込んだ個別支援計画に即した活動内容でなくてはなりません。
それでは実際にどのような活動プログラムを行えば良いのか、ある事業所の例をもとにご紹介します。
放課後等デイサービスの活動プログラム例

実際の事業所で平日に行っているプログラムの一例です。
この事業所では、曜日ごとに1時間程度、専門の指導員による「教室」を開催しています。こうした活動プログラムは、事業所の特色となり、子どもたちも楽しみに感じてくれるというメリットがあります。
音楽・アート・体操などはテーマによっては、専門の先生でなくとも実施が可能です。
長期休暇などの活動プログラムの一例もご紹介します。
長期休暇は夏と冬がメインですが、工場見学などは子どもたちにとっても良い勉強となりますし、工程があるので流れが作りやすいですよね。お饅頭工場の見学・体験、自動車工場の見学などの例があります。長期休暇中はすぐに予約が埋まってしまうため、早めの予約が必須となりますが、こういった社会見学も盛り込んでみてはいかがでしょうか。
また、一見、遊びの要素が強い縁日ごっこも、準備から関わったり、子どもたちにお店屋さんを任せたり、縁日で使える通貨を作れば、コミュニケーションやお金・数などの感覚を支援することができますよね。
活動プログラムと5領域のつながり
では、今回の事業所の活動プログラムの例から、それぞれ5領域とのつながりをどう作っていくかという面をいくつか見ていきましょう。
5領域とは

放課後等デイサービスでの5領域とは、以下の5つのことを言います。
「健康・生活」
「運動・感覚」
「認知・行動」
「言語・コミュニケーション」
「人間関係・社会性」
これらに関連づけた支援計画を作成し、それに即した活動プログラムを実施する必要があるということです。
来所時・退所前の準備【健康・生活】
「健康・生活」についてのねらいは
■健康状態の維持・改善
■生活のリズムや生活習慣の形成
■基本的生活スキルの獲得
です。
来所時の手洗い・うがい、ランドセルを自身の棚に置く、活動の準備をする、帰りの支度をするといった基本を身に付けるよう指導します。
また、昼食作りやお菓子作り、食事を通して、健康や生活リズムについて考える機会を与えることもできます。
活動の中で、常に5領域を意識しておきましょう。
体操・運動と5領域【運動・感覚】
「運動・感覚」のねらいは
■姿勢と運動・動作の向上
■姿勢と運動・動作の補助的手段の活用
■保有する感覚の総合的な活用
です。
体操・運動と聞くと、場所や設備の問題を感じがちですが、それほど広くない場所でも、マットなどがなくても、工夫次第で安全に活動を行うことができます。
例えば、床に直線や曲線状に色テープを貼って、その上を歩くというのもおもしろいですね。途中に小さな障害物を置いて、ジャンプをしたり、小さな段差をつけて上る・降りるを組み合わせるのも良いでしょう。
フラフープを床に置いて、ケンケンパをしたり、まず指導員が動く動作を見て、それを真似して動いてもらうというのもいいでしょう。
ブロック遊びと5領域【認知・行動】
「認知・行動」のねらいは
■認知の発達と行動の習得
■空間・時間、数等の概念形成の習得
■対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得
です。
ブロック遊びは卓上で行うことができ、ちょっとした時間で実施できるため、多くの事業所が取り入れていることと思います。
ブロック遊びは、5領域のなかでは、「認知・行動」に関連付けられるのではないでしょうか。
「認知・行動」のねらいは、認知の発達と行動の習得や空間・時間、数等の概念形成の習得などがあります。
ブロック遊びは、視覚、触覚等の感覚を活用し、高さや幅などを考えながら形作っていきます。どうすれば倒れないか、どうすれば望む形を作れるかなど、数や形などから予測して作成していきます。
また、お友達と一緒に、例えばテーマを提案して、「一緒に」作るということをプログラムとして実施すれば、「言語・コミュニケーション」の面でも役立つでしょう。
買い物と5領域【言語・コミュニケーション】
「言語・コミュニケーション」のねらいは
■言語の形成と活用
■言語の受容及び表出
■コミュニケーションの基礎的能力の向上
■コミュニケーション手段の選択と活用
です。
この分野においては、様々な活動の中で関連づけることができますが、前述のプログラム例で、買い物においても関わりを作ることができます。
例えば、買い物リストの作成、役割分担、役割における指示・伝達、スーパーなど、事業所外での人とのコミュニケーションなどです。
その他、絵カードを使ったり、宿題などを通して読み書き能力の向上を支援するといったこともありますね。
工場見学と5領域【人間関係・社会性】
「言語・コミュニケーション」のねらいは
■他者との関わり(人間関係)の形成
■自己の理解と行動の調整
■仲間づくりと集団への参加
です。
例えば前述の例でいえば、工場見学なども、集団行動や社会的側面の成長を促すことができますよね。
放課後等デイサービスは、学校よりも少人数ではありますが、集団行動や仲間への配慮が必要となる場所でもあります。
日常的なプログラムに5領域の項目を意識して取り入れていきましょう。
他事業所の取り組みを参考に特色のある活動プログラムを作ろう
多くの事業所があるなか、事業所の特色をどう作るか、どのように子どもの支援につながる活動を考えるかを考えるのは大変です。
近年は、多くの事業所がSNSやホームページ上で事業所のプログラムについて公表しています。
他事業所の取り組みや活動プログラムを参考にしながら、事業所の特色を活かせるプログラムを作っていきましょう。
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